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2010年01月25日

漫画語り / 卵焼きはごちそう

卵焼きって、ごちそうのイメージがある。
何故かと言うと……。


むかーし、むかし。もう何年も前の事。
待合室にあった漫画雑誌をなんとなく読んでいて、非常に印象に残った漫画があった。
残念な事に、そのタイトルは分からない。
自分でもこんな後々まで、たびたび思い出す事になるとは思っていなかったのでチェックしていなかった。

ストーリーはこんな感じです。昔の記憶なので間違ってる部分もあるかもしれない。

かわいらしい感じの若いお母さんキャラ(割烹着)と、その子供男の子と女の子。至って普通の一般家庭。
時期は正月。そこに、ある食通の男性が訪れた。結構有名な人らしい。子供たちは大喜び。

大切なお客、しかも食通って事で、ごちそうを出してもてなそうという話になる。
ママさんは「神様の食べ物よ」と言って仕度にとりかかった。
神様の食べ物……当然、期待がふくらむ。一体どんなものを食べさせてくれるのだろうかと。

しかし、なかなかその料理は出来上がってこない。腹を減らし待つ三人。
やっと料理が完成。しかし、運ばれてきたその『神様の食べ物』は…ただの餅が入った雑煮だった。(雑煮じゃないかも。とにかくごく普通の餅料理)

しかも子供達が言うには、この餅はカビが生えていたものだとか。
期待させておきながらこんなものを出すなんて! と怒る三人にママさんがこう告げる。

これは古来より神様に捧げられていた立派な食べ物だと。
カビを取るのにも昔から伝わるちゃんとした技法があって、丹念に時間と労力をかけて取り除いたものだ。
「恥ずかしいものなんてお出ししていないわ」と、にっこりと微笑みながらママさんは言うのだった。

そこで食通の男は思い出す。自分の子供のころの事を。
母子家庭の家で育ち、働き尽くめの母の手料理をほとんど食べられなかった子供時代。
だけど、遠足の日だけは弁当を作ってくれた。
あまり料理に達者でない母だけど、卵焼きはちゃんとした手作り。

遠足の昼食で子供の食通が弁当の卵焼きを「ごちそうだ! うめー」と言ってほおばるシーンがとても印象に残ったのだ。
それがまたうまそーに喰いおって…。
ほかの子供に「卵焼きがごちそうってどんな貧乏人だよ」「ごちそうってのはこのエビフライみたいなのを言うんだよ」みたいに馬鹿にされるわけだが、
その子にとっては高価な食べ物じゃなくて母親の手作りがなによりのごちそうだったってわけですな。
ママさんが食通に出した料理も、高価な材料でササッと作ったものではなく、庶民的でも手間をかけたものだったから食通の心を打ったんだろう。

いい話っすなぁ。

この漫画のせいで危うく割烹着萌えなんて属性が目覚めそうになりましたが…。
とにかく、やたらうまそうに卵焼きを喰うコマとストーリーのせいで、
『卵焼き=ごちそう』のイメージがついてしまった。
今でも卵焼きを見ると思い出す。この話を。


そういや。
美味しんぼでも京極に出した鮎の天ぷらの話は感動したもんだ。
山岡と海原の料理対決で、山岡は最高の素材と最高の料理法を駆使した鮎の天ぷらを出した。一方海原は……。
これ以上はネタバレなのでやめときます。




posted by 珪 at 21:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画について