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2010年02月18日

【藤子・F・不二雄[異色短編集]4】の感想4



【藤子・F・不二雄[異色短編集]4/小学館文庫】のレビュー。というか単なる感想。三回目。
『ある日……』『四海鏡』『鉄人をひろったよ』。


○『ある日……』

素人8ミリ愛好家のサークルメンバー四人が集まって映写会を開催することになった。
四人ともそれぞれが作った8ミリビデオを披露する。
なごやかな雰囲気で上映会は進んでいたが、三人目が終わり、最後という時に四人目の男が憤慨しはじめた。

プロが金をかけて大衆の好みに迎合した映画もいいが、素人の作るものはそれはそれで味があっていいものです。
最初の一人目。『世界を駆ける男』。
ランニング姿で家を出、ジョギングにでかける男。元気良く力走! 日本から香港、ハワイ、ニューヨーク、ロンドン…。
世界のありとあらゆる地域を力走。
合成でもないし、素人映画でロケの予算も無いはずなのに何故?
…タネ明しを知ると、なるほどね、って感じです。アマチュアらしいアイディアもの。
まぁこんな感じで自作映画の上映会を行っていくわけですね。

※反転
「唐突すぎる」「伏線もないし…」「説得力ないね」
「「ある日」は「唐突」にやってくる。「伏線」など張るひまもなく、「説得力」のある破壊なんてあるものか」
これもある種の終末思想ネタ。
『唐突』…恐いもんですね。前触れも無く突然…。
戦争とか普段遠いものという認識で、安心しきってますからね。ちょっとピンとこなくなってる。


○『四海鏡』

猜疑心の強いサラ金会社の社長。
愛人の浮気を疑うが身辺調査の結果はシロ。
しかしそれでもまだ腑に落ちない。
もし、どんな場所でも、距離に関係なく撮れるカメラがあれば、証拠をつかむ事が出来るのだが…。

ヨドバカメラシリーズ。
愛人と会ってる写真を送りつけるとは
ついに脅しまでやるようになったか、ヨドバ。
このオッサン…奥さんに対して
風呂は紅子のマンションで入ってきたなんて堂々言うとは
奥さん公認の愛人なのか。

しかしヨドバ、未来から現代に遭難して
たまたま持っていた未来のカメラを売る事によって生計を立ててるんだったら
いつか在庫が尽きるだろう。大丈夫なんだろうかと心配してしまう。


○『鉄人をひろったよ』

仕事帰りのおっさん。残業で遅くなりもうあたりはまっくらな中、車を走らせる。
その途中、大怪我をした男が倒れているのを発見する。
男は、アンテナのついた謎の小型機械をおっさんに手渡し、おっさんが救急車を呼ぼうとしている隙にどこかへ消えてしまった。

わけのわからない様子のおっさんが機械のスイッチを押してみると、
なんと遠い空から巨大なロボットが舞い降りた!

というかこれ明らかに某Gigantorじゃないか。いいのかこれ…。
ロボットヒーローもののロボットってのは普通ピンチを救ってくれるもんですが、
危機に瀕しているわけでもない普通のおっさんが巨大ロボットを手に入れても対処に困る…そのすったもんだを描いた話。

※反転
これも『劇画オバQ』のように、漫画の中の夢の世界と現実との落差を描いたものですね。
鉄人の背に乗って空を飛ぶおっさんの
「こりゃ爽快だ。小さいころこんな夢を見たような気がするよ。いつまでも乗っていたいがそうもいかん」
のセリフは泣けた。いつまでも夢を見ているわけにはいかないんですよね。




2010年02月16日

【藤子・F・不二雄[異色短編集]4】の感想3



【藤子・F・不二雄[異色短編集]4/小学館文庫】のレビュー。というか単なる感想。三回目。
『コラージュ・カメラ』『かわい子くん』『丑の刻禍冥羅』。


○『コラージュ・カメラ』

主人公は社会に警笛を鳴らすべく日夜働く新聞社員。
まさに大事件を追って最中だったが、政府高官からの圧力で上層部からのストップがかかり、事件は闇の中に葬られようとしていた。

ヨドバ氏カメラシリーズ。
まず子供を狙うこのセールスマン。手段は選びません。

※反転
百万!? 高っ。
簡単に合成写真が作れるカメラという事だが…。そういったプロに依頼すればもっと安く合成写真作れそうな。
この漫画が描かれた当時は合成技術も今と違うのだろうけど。



○『かわい子くん』

浪人生の茂手内は外見のパッとしない、典型的モテナイ男。
しかし恋する相手は超がつくほどの美少女。
自分とのあまりの落差に声もかけられない。
同じアパートに引っ越してきたSF小説家の卵の女性がなにかと彼の恋愛の世話を焼くが…。

もてない男をかわい子くんにしようという話。
生物が感じる『かわいらしさ』についての解説がある。
感覚を論理的に説明するのは藤子F氏らしいっすね。

ベイビイネスという言葉がありまして。
動物は共通に感じる『かわいらしさ』というものがあって、
子供がその特徴を持っているのは、ある種のプロテクターなわけですね。

「いえないよ! このキノコたべてみませんかなんて」
言ったら警察呼ばれそうですね。(笑)


○『丑の刻禍冥羅』

憎い相手が居たら…。そいつを思う存分痛めつけることが出来たのなら…。

ヨドバ○カメラシリーズ。禍冥羅の読みはカメラ。
いきなり真夜中に人んちの寝室でセールスしているヨドバ。相変わらずです。
しかもその売り込んでいるカメラというのが。なんと呪いのカメラ。
このカメラで憎い相手の写真を撮って丑の刻参りのワラ人形のように写真に釘を打つと、打った体の部位に実際の相手にも異変が起きるという、なんとも恐ろしいカメラ。
ヨドバこんな恐いもの売るなよ。(笑)


【藤子・F・不二雄[異色短編集]4】の感想4へ続く。




2010年02月14日

【藤子・F・不二雄[異色短編集]4】の感想2



【藤子・F・不二雄[異色短編集]4/小学館文庫】のレビュー。というか単なる感想。二回目。
『夢カメラ』『親子とりかえばや』『懐古の客』『パラレル同窓会』。


○『夢カメラ』

主人公は会社の係長。普通に結婚もして、順風満帆といえなくもない人生を歩んでる。
可愛い女性の後輩が気になるものの、今の妻と別れる気は無い。
ある夜なんだか気になる夢を見たのだが思い出せない。
その夜。トイレの帰りに変なセールスマンが家に忍び込んでるのを発見する…。

ヨドバはもう警察呼ばれてもおかしくないな。
しかし今回珍しくセールス成功。しかもいい値段。よかったね。

※反転
離婚騒ぎにまで発展。これはやばい。このままだと慰謝料ズッポリ取られてましたね。
すっかり騙された奥さんが少しかわいそうなオチ。


○『親子とりかえばや』

人格入れ替えネタ。親子で入れ替え。
漫画ってのは普通に人格が入れ替わるなぁ。
なんかちょっと風邪ひいてしまいましたくらいの感じで。
親の心子知らず。子の心親知らず。ってね。
相手の立場になって初めて理解できるという話。


○『懐古の客』

駆け出し貧乏漫画家の家に謎の呼ばれざる客が来訪。
そいつは主人公の家を勝手に宿にするという。

ヨドバが出てくる…話ですが、今回はカメラセールスではなく、
ヨドバが未来から現代に来た理由が明かされる話です。
『ミニチュア製造カメラ』の回で旅行中だった事は話していたが、こういう事だったんですね。
しかし過去の人間の家を無理やり民宿にするとは未来人は酷い奴らだ。(笑)
素晴らしいと言ったり蛮地と言ったり、勝手なもんです。


○『パラレル同窓会』

高根望彦は大会社の社長。いわゆる『勝ち組』の人間だ。
毎日社長としての激務をこなす真面目人間だが、プライベートでは小説家になる。
仕事ではなく、誰に見せるわけでもない小説。子供のころの夢をなぞるように原稿用紙に向かうのだ。
ある日のこと。友人に身に覚えの無い事を言われる。
SMクラブで自分の姿が目撃されたというのだ。

パラレルワールドものです。
また出てきましたね『自分は他人のはじまり』。
『自分会議』にもあった言葉。よくある慣用句なんでしょうか?
幹事が人の人生でやりたい放題。(笑)
いくら自分だからって。


【藤子・F・不二雄[異色短編集]4】の感想3へ続く。